どうということもない

どうということもないけど 忘れたくない

私だけの人生、私だけのハンドル


人生のハンドルは一本しかない。それを握るか握らせるかは自分の管理能力が決める。


最近は以前に増して鬱屈している。寒いからかもしれない、社会人になって半年経った。


半期目標を決める時期になった。主体性が足りないと言われる。それは私自身の覚悟の無さから来るものだと思う。このままでいいのか。


間違いなくやりたい仕事で、最高の場所、環境が揃っている。だけど何かがすごくモヤモヤしている。理系科目が得意じゃないのに薬学部を第一志望にさせられていた高一のあの頃を思い出す。


最近ではストレス発散にしていたはずの文字すらもあまり書けなくなった。

(実はここではないどこかでひっそりと小説を書いたりしているけれど、それは私ではない誰かの所業となっているのでここでは文字を書いたことに数えない。)


人事から視線を集めやすい新卒こそが頑張り時だと、言われてきた以上に自分の中で反芻もしていた。


新卒の同期はみんなズンズンと前に進む。同期たちの受賞の文字を幾列も見てきた。輝かしげな笑顔、先輩からの熱い視線。彼らは正しくスポットライトを浴びて、向上心を持ち、悠然と前を見つめている。

私がコントロールZからオプションコマンドescまでを覚える間の話だ。


すごく悔しくて嫉妬して、羨ましくて仕方ないところがありながら、例えば放送研究会で賞をもらえなかった時や、例えば早慶模試がD判定だった時の悔しさとはまた違うものがある。


唇を噛み血を流し、鼻の脂と涙をシーツに擦り付けるあの感覚とはまた違う。

自分への嘲笑が止まらない。自身の愚かさだけがありありと残っている。

逃げているのだとも思う。


私は違うぞ、そこがフィールドじゃあないんだ、もっとほかに力を出せる場所があるんだと、阿呆らしく自分で自分を納得させようとしてるのかもしれない。


これは一番良くない状態だ。大体このフェーズに入って何かか上手くいった試しが一つもない。人生の停滞、血の流れがどんどん硬化していって脈瘤で堰き止められているようなイメージ。


最初にこの感覚を覚えたのは中学受験。


周りの期待のままに学大附属、青学附属を受けて見事滑りに滑った。自分で決めたわけじゃあない、私はここで結果出せなくたって、とここ1番の勝負で諦めたのだ。

合格発表の掲示板の真ん前。私の隣で親が泣き崩れ、しゃがみ込んだのがなんとなく気持ち悪くて仕方なくて、帰りの電車で緑色したキシリトールのガムを噛んだ。


次は高一の時、親から熾烈に医学部・薬学部に行けと言われ、オープンキャンパスに出向き、高2からの文理クラス分けの希望を理系で提出した時だ。


まるで砂を噛むような気持ちで理系、と書いたことをよく覚えている。英語や歴史など、文系科目ばかり得意で好きだったはずの私が、まさか理系になんて死んでもいくものかと思っていた。文系理系の話をした時に初めて本気で掴み合いの親子喧嘩をして、数日間口も聞かず目も合わせず、親側が折れてきたのだった。



誰かに人生をハンドルされてるような感覚。しかし、この会社のこの部署でこの人と働くと決めたのは他でもないこの私だ。なのになぜここで過去に感じたあの感覚を思い出してしまうのか。


正直言って甘ったれてるのだと思う。


私は勤勉な同期と違って、家に帰ったらぼーっとアニメを見てゲームをやって、夜中2時に寝る。実家暮らしでそこそこ貯金もしている。前に比べるとギリギリの感覚が少しもない。これは創作意欲を大いに削ぐので恐ろしいことではあるのだが、その話は置いといて、とにかく今甘えられる環境と態度が出来上がりすぎていて、私は逃げている。この逃げてる感じは早慶に入らなければ死ぬ、と決めてから最初の何ヶ月かの感じにも似ている。


高2の私は、甘えられる状況全てを削ぎ取り、勉強のバーサーカーとなっていったのだが、入社して半年が経ったいま、バーサーカーになる必要がある気がしている。そのためにはとにかく自分を追い込む必要があるのだが、どうしたら社会人って追い込めるんだろうと疑問に思っている。一人暮らしでも始めようかと思うけれど、実家と勤務地が近い今わざわざ1人で暮らす理由があまりない。上手く自分をハンドルしていかないと、何か大きなものに自分がハンドルされている感覚は抜けていかない。

神の見えざる手、リヴァイアサンはいつまで私とランデヴーするつもりなのだろうか。


一刻も早くリヴァイアサンのすき身でツナサンドを作って、出勤前の朝ごはんに食べられるくらいの女にならなくては、立派なサラリーマンになる夢を達成できずに終わってしまう。



せっかく乗りかかったこの車は。乗りこなして立派なサラリーマンになってみせよう。

どんなにダサくみっともなく、下手に生きたとしても、この世界で1本しかないハンドルを、誰かに預けるなんてダサいことはしちゃだめだ。さあ踏ん張れ。まだまだ私のサラリーマン人生はこれからだ。


ではまたどこかで。


amane

ゲームハードのエロス


ゲームはそんなにやってないけどゲームハードが好きな女が任天堂とプレステとxboxのデザインについてひたすら擬人化してこねくり回す話をします。


デザインのこととかマジで何も知らないです。


擬人化とか、下ネタとか、何も知らない人間が語り尽くすのが苦手な人は見ないほうがいいです。


はい、ではやっていきたいと思いますー



ファミコン


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元気っ子系といったところでしょうか。任天堂は幼なじみ系の子が多いです。経年劣化で黄色味を帯びてるのが好きです。


軽い。こざっぱりとしてとにかく軽いんです。

ここから日本テレビゲームの大きな歴史が始まりますから。(カセットビジョンとかあるけどやっぱり一気にソフト増えたファミコンからで)


やっぱり任天堂さんはおもちゃとしての見せ方が凄く良くて、カラーリングとか、「小さい子が手に取った時にどう思うか」をすごく考えてるんじゃないかなと思います。


操作感も素敵です。だんだん軋んでくるエジェクトレバーとか、電源レバーのぱちっと感、リセットボタンのフワッと感もいい。ちょっとエロい。一緒に成長していく感じがありますよね。ちっこい機械から世界を随意にしていく。このロマンはやはり家庭用ゲームの最たるものではないでしょうか。



スーパーファミコン

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幼なじみ〜!(男)


ファミコンは幼なじみ(女)って感じでしたが、スーパーファミコンはやんちゃな近所のちょっと年上の兄貴っぽい幼なじみ(男)です。エロいかと言われたらエジェクトボタンの押し心地と程よい丸みはいいですね。やんちゃ遊びポイントのボタンのカラーリングも素敵。

私の家では寿命長くて小4の休みの日にモノポリーとかやりました。




初代プレイステーション

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色白年上女教師…


これが一番エロいです。余白が半端ない。

押すと スチャッ…


という非常に官能的な音がします。


スチャスチャ系の音はエロいと思っていて、

例えば銀行ATMのあの数字キーは大好きで延々と押し続けたいと思ってるくらいです。


丸がどどんと3つあります。丸が3つあると大抵のものはエロくなります。なので隠れミッキーも私的にはいかがなものかと思っていて、何でみんなあれを「かわいい〜」とか、「隠れミッキーみつけたぁーー!」とかいうのかわかりません。あれはただのセクシャルポイントです。

働きすぎてちょっと顔色悪めですが、そこもまたいいですね。


カパッ…


て感じなんですよね。


うわぁー。やられた。

幼心にそう思いました。

お父さんの部屋にあるPS2の奥に眠りし彼女を、人目を避けながらスッと盗み出し!

電源を…つけた…


開発者向けに配布したものや限定生産以外グレーしかカラバリがないのもいいですね。硬派です。ちゃんとワンパターンだけど楽しませてくれるタイプの女だって、僕は知ってるので、、。ボタンの渋みもあるカラーリングもかっこいい。ゲームといえば明るくてキラキラ!幼なじみ感のあるフォルムが当たり前だと思っていたのに、、、、。


ところでそんなに遊んでません。鹿鳴館と餓狼とか。鈴木爆発とかせがれいじりとか、時間が許せばやりたいです。PS2の互換で遊んじゃうので、たまに引っ張り出して見てると親に「やってみる?」と言われて、ちょっとだけやったゴエモン面白かったな。




ニンテンドー64(正式名称じゃないかも)


64はコントローラーが一番セクシーです。持ちづらいけど。

あとカセット挿す瞬間ちょっとだけ申し訳なくなる時があるくらい意識してました。

いとこの家でやったことあるだけなのでこのくらいかなあ。あとxboxの系譜を感じますよね。アメリカン。そりゃーアメリカで人気出るわーって見た目をしてます。




プレステ2


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すごくかっこいい。でも、まじで

エロくない。

kpopアイドルに例えるとブラックピンクかな。強くて美しくて長くて細い。でもエロくはない。

黒ギャルではないし女教師でもない。幼なじみでもない、めっちゃ綺麗だけどエロくないモデルです。青いワンポイントロゴとか台座とか、おしゃれで素敵なんですけど柔らかさがなくて、、唯一柔らかみのあるコントローラーの3Dスティックはよくいじってましたが。ゲームは本当に名作多くて好きです。




ゲームキューブ


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出ましたァーっ!!!!丸がたくさんあります!!!

これはいい!しかも!肝心の本体ボタンのスチャスチャ感が半端ない!

四隅に設置されたボタンが絶妙に均衡を保ち、さらにはコントローラーを挿す穴がいくつも並ぶ!カラーリングもかわいい!

「おもちゃ」です。でも、明るいコギャルって感じで最高。オレンジ持ってました。

ゲームキューブのコントローラーはちっちゃい頃思わず一緒に寝てしまうほど好きでした。ボタンの配置、押し心地、カラーリングも全てが素晴らしすぎて。あと、丸いよね。LRボタンの押し心地がやばすぎて今でも1人でこっそり押してます。そのためだけに押し入れから出します。あれは押すタイプの麻薬ですね。


そりゃーグッドデザイン賞とるわ。グッドデザインどころの騒ぎじゃないっすよ。


あと確か家庭用機にしては意外と安くて、親がサクッと買ってくれて記憶が…


ただ、後発のWiiで互換性があってWiiでずっとゲームキューブやってた思い出あります。




Wii


Wiiのデザインはそんなに好きじゃないので省きます。


三次元スティックや丸要素のついてないゲーム機が得意ではないんです。

クラシックコントローラーだけはちょっと好きでした。


カナダで発売されたWii miniが、めちゃくちゃかわいいのでみんな見てください。では。


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そしてWii Uはプレイさえしたことないので一切語れません。画面付きコントローラーは本当にしんどい。

ここで難点を洗い出してできたのが神ハードスイッチなんでしょうなあ…




プレステ3

黒ギャルである。

ツヤツヤで黒くて丸くて私の理想の黒ギャルって感じです。しかも艶消しもあるし。


でも実は持ってない。ナンバリングのプレステ家庭用で唯一持ってないです。

ここまでたしかプレステは後藤貞祐さんのデザインですよね。




プレステ4は

菱形 菱餅!!!!

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これはこれでいい!クロスっぽいやつはオタクがみんな好きです。滅却師っぽい。ブリーチの。これのホワイトがめっちゃ滅却師なんですよね。ブリーチのファンがデザインしたのかなてくらい。イケメンですよね。石田雨竜っぽい(偏見)

起動でほっそいボタン部分にポンと淡く色が灯るのもかわいいし。


proはギザギザしてて本当のバカデカ菱餅だなと思います。青地に金ロゴもめっちゃかわいかったなー。普通のやつでもクロスじゃないのもあるけどクロスの方が好きです。


唯一の不満点は起動音が家電っぽくて嫌です。




最近の任天堂機はセクシーの枠を完全に超えた。


ニンテンドースイッチ


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程よいマット感。「僕が考えた最強のおもちゃ」

である。ゲームキューブ系統でカムバックしてきた感じがあって、すごくワクワクしましたね…


スティック二本壊れやすくてびっくりしちゃいますけど。散々ゲームキューブを床に落としてはしゃいできた人間としては(最低)「ついにウィークポイントを出してきたな…」と思いました。コストを下げる上では避けられないポイントだったのかな…ゲームボーイ湾岸戦争でも生き延びた話とか好きな人間なので、ちょっと残念です。


カラーリングの遊びもすごくて、何度ジョイコンを買い直しても飽きない作りになっててすごいですよね!(皮肉ではなく褒めている)


持ち運びでもプレイできるのがすごい。持ち運びでしかほとんどプレイしてないです。

私はスイッチ本当にデザインも実用性も大好きなのでただスイッチを褒める人間になってしまいました。サードパーティ系もはじめに比べれば増えたし、、。おすすめですよ。エロくはない。でもコントローラーが不能になった時、「近所のショタがたまに見せる憂い」みたいなものがある気がします。しかし私の近所にショタは住んでません。




xboxoneはサンセットオーバードライブやるためだけに買おうかどうかまじバチ悩んでるんですけど、xboxは次世代機で今までのが全部遊べるみたいなので人道に反さない値段だったら買います。せめて人間の道を外れない価格設定であって欲しい。



初代xboxアメリカのゲームに出てくるマテリアル系入ってる箱って感じがして大好きです。


違うエロスだよね。私がいってる機械的エロスはどちらかというと日本寄りで、全く抑圧されていない、パトス寄りのエロスがアメリカ風だと思います。


xbox360はムラタチアキさんのデザインでかなりユニセックスになってる。

曲線が艶かしく、シルバーの塗装がさらに魅惑的。さながらメトロイドはサムスのボディスーツのようですね。


xbox one は何もなくなってます。原点回帰でマジの箱になりましたね。


具合が悪いのでもう寝ます。

ではー。

amane

さむくてもへいき


東北の朴訥とした話し方は。そこかしこに冷えと暖かさの2つが共存していて。空気を、揺らしていた。


2月の八戸はこんなに凍えるのに。彼らの声を聞くたびに、ほっとした気持ちになった。


これは世界ひろしと私の、不思議な縁、そしてそれに付随したささやかな物語である。


これを書いたら全て終わる気がしているので、なんとなく書きたくなかった。でも、終わりはもう来てしまったので、ここに記す。



「八戸でイベントをやります、amaneちゃんに出て欲しい」


連絡が来たのは12月のことだった。



世界ひろしは私が1番に愛するミスiD2020の女の子だ。私のエゴイズムだが、彼女はミスiD2020芸術賞受賞者でありながら、amane賞も受賞しているのだ。(?)作品の哀しさと柔らかささもちろん、本人の愛くるしさがたまらない。

初めて会ったのはセミファイナリストの部屋だった。開演前に私は予定が押して、配布物の印刷がギリギリになってしまい、ボサボサ頭で焦りながらホチキスを止めていた。心配そうに近づいてきて、「…手伝いますよ」と呟いてくれたのが、世界ひろしだった。



最初は2人とも、おっかなびっくりで接しあったが、セミファイナリストの部屋の後で一緒に出た阿佐ヶ谷のイベントのトークで、さらに仲良くなった。その時は世界ひろしが青森出身で、私はおじいちゃんの家が青森にあるということで、盛り上がった。今では仲良しという言葉では表しきれない、溶けた間柄になった。


今回のイベントへ誘いの言葉をもらった時、率直に嬉しかった。しかしすぐに、「八戸か…」と思った。


おばあちゃんとおじいちゃんの家は青森にあるといえど、津軽の方で日本海側。太平洋側である八戸とは正反対だ。里帰りついでに行くテンションで行ける場所ではない。でも、私は大学四年生で、卒業してしまったら就職だ。すぐには世界ひろしとイベントで共演することは難しいだろうし、おまけに世界ひろしが開催する「最初の」イベントに声をかけてもらえている。ミスID主催の小林司も来る。出るしかない。一瞬の逡巡の後にすぐ、返信を送っていた。


その内容がこれだ


「まじかいな!」

「えええw行きたいなw」


………飲み会のテンションでちゃんとしたお誘いに返事をするのはやめなさいと、私は人から教わらなかったのだろうか。今更になって恥ずかしいです、ごめんなひろし。


それから驚くほど早く 時は流れて2月。

日程が近づくにつれて、フライヤーから時程から何から何まで完成していった。全てひろしがやっていて、アートワークの何もかもが抜かりなくカッコ良かった。


すごく気合が入ってることがわかった。


イベントの前日まで、私は元彼との恋愛のことでメンタルと体調がギリギリだった。大きな不安を抱えたまま、1番安い夜行バスに乗り込んだ私は、11時間という長い間揺られながら、意識を溶かしていった。少しまどろんでいると隣の気難しそうなおばさんが盛岡で降りたので、よしきたとばかりに仕切りを外し、二つ分の席に横になって、何時間か寝息をたてることにした。


朝、本八戸駅についたら、すっぴんのひろしがトテトテとやってきて、愛しくてたまらない気持ちになった。朝早く来させちゃって、ごめん。でも本当ありがとう。いつも車を出してくれた、まめぴーさん。ありがとうございました。


イベントはお昼がブックバー、AND BOOKS。夜はいわとくパルコのpatrie。


AND BOOKSにある本は、かなり私に刺さった。江戸川乱歩の揃いが良くてニマニマしたし、赤瀬川原平が2冊ほど、本棚に刺さっているのには唸った。立て掛けてあるレコードはThe Whoだ。店主さんは穏やかでありながら気さく。カレーの心地いい香りが充満した、落ち着きがあり、どこかモッズは店内で、小林司、ひろし、工藤あかりさんの3人と本について語り合いました。楽しかったなあ。こんなに贅沢な瞬間はなかったと思います。小林司のおすすめの本の一つ、ジーザスサンが私に刺さりすぎてやばかった。ポチりました。


緩やかで暖かく、カレーとコーヒーの匂いが充満する店内。


さむくてもへいき。


昼の部が終わったあと、ひたすら鳴く腹の虫をなんとか収めるために、コンビニでパンを二つ買った。ビジネスホテルに戻り、もつもつと食べる。食べながら、ラインを開く。彼のことを想い、めそめそと泣いた。


つづく



夜の部は気が向いたら書きます


大学生はクソだ



外の空気を吸うと、冷たい外気が肺の中に溜まっていき、私の胸に募る寂しさと重なった。


寂しくて仕方なくて、寝不足に袴で歩き回りどうしようもなく疲れてボーッとしていた身体に、涙はなかなか出てこなかった。


カラオケボックスをあとにするとき、ほんの少しだけ頬が濡れたが、それは涙が汗か、アルコールを含んだ滴かもわからない。


彼らと私は、もう二度とここへは来ない。


激しく揺さぶられ、そして揺さぶり続けた私の学生生活は、あまりにも緩やかに、そして穏やかに終焉を迎えた。


カラオケボックスでいくら叫び倒しても、その声が時を遡ることはない。過ぎゆく時に合わせた怒号は、私の微かな抵抗だったが。虚しく時は過ぎた。3/23日と3/24日の間で、何かすごく大きな溝があるような。そんな気がした。嵌ってしまったら抜け出すことのできない、あまりにも大きな闇。どれだけ時間が過ぎようとも私の中で消えることがない深い深い分断。そこより前には戻らない。頼りない記憶を辿ってしか、情けない一大学生としての日々には辿り着けないのだ。


人生一度きりの大学生活は、恐ろしいほど長かった。

神様の悪戯を疑うほどに。尋常じゃない量の余暇をもらうと、人は何をすればいいか困る。


モラトリアムこそ真の拷問だったやもしれない。人間関係が苦手な私にとって、絶好のチャンスでもあったが、反対に凡そ苦行とも取れる側面もあった。


大学生はクソだ。

路上で飲むことを覚えたり、どうしようもない素行不良をひけらかしたり、高校の頃はあんなに好きだった文豪や英文読解にも見向きもせず、単位をズルズルと落とし、どうしようもない自分のどうしようもない自我と向き合うことすら億劫になり、そのくせ最後には、必死になって教授に頭を下げた。


この大学生という身分が始まってからというもの、向こう見ずな行動をしたら、何か成果として残ると勘違いしていた。

そのせいで過ちを沢山犯した。

過ちだらけの大学生活だが、それでも、こうして書いているだらけた文章を、誰か1人でも読んでくれているという事実こそ、私が遺せた成果に違いないのである。


22歳の春、私自身がまだこうも未熟で、ロマンチストだとは。5年前の私が見たら卒倒してしまうかもしれない。それとも、多感な高校生だった私は、馬鹿ね、と少し、笑うだろうか。


嗚呼、大学生よ。


我々は少しも学ばなかった。


煙に紛れて煙草を吸ったとて、存在が変化することなどない。


酒でいくら身体を溶かして消し去ろうとしても、なかなか溶けない。


私が君と、そして君たちと犯した過ちは、2度とは起こらないが、2度とは起きないということが誓われてしまった。


あーあ。私は今日もこんなクソみたいなポエム書きやがって。

でもこんなクソみたいなポエムを書く自分がどうしようもなく好きだし、若くてどうしようもない私は、愛すべき存在だと、どこか平行世界の私が言っている。



私はこの四年間で何人もの人に恋をした。

これを読んでいる君のことも、きっと好きだったことと思う。ありがとう。愛してる。


卒業おめでとう。

大学生は、クソだ。

だけど、間違いなく、最高だった。


amane

別れた話



八戸でイベントの打ち上げをした時のことだ。

「彼氏との関係、すごく悩んでるんだよね。あーんなに好き同士だったのに。

もう私のこと好きじゃないんだと思うわぁ

」と言ったら、小林司

「そんなん、別れればいいじゃん。若い頃の恋愛なんて、一生忘れないと思っても、すぐ忘れるんだよ。せっかく若いんだから、色々経験しなよ」と答えた。


実は想定外の回答だった。


ショックだったのだ。私はやっぱり、えー!まだ向こうは気持ちあるんじゃない?だとか、まだ諦める時じゃないよ!とか、まあそんな言葉を欲してたんだと思う。(そんなギャルな回答なわけないだろ)

でも、小林司に言われた言葉は、なぜか、私の中にスーッと馴染んでしまった。だけどまだ彼のことは諦めたくなかった。


次の日、世界ひろし、小林司、まめぴーさん、工藤あかりさんたちと、八戸の観光地を巡った。


蕪嶋神社で引いたおみくじには、

  「恋愛:今の人が最上」って書いてあって。


ぴょんぴょん跳ねて喜んだんだ。

皆はそんな私を見て、薄く、微笑んでいた。


私は普段占いなんて信じない。でもこの時だけは、すがりたかったんだろうと思う。



彼から一向に来ない返信に心をかき乱され。

電話じゃなくて、会って話そうと思った。

これ以上時間を消費しちゃダメだと思った。

別れたほうがいいんだなぁ、と、一週間かけて身体に染み込ませて、ちょっと泣いて、日曜日に彼と別れ話をした後は、信じられないくらいたくさん泣いた。全然ご飯食べられないし、挙げ句の果てに吐くかと思った。


でもこの涙は君が好きな気持ちを諦めなくちゃいけなくて出たのか、自分がかわいそうで出たのか、心の準備がしきれてなかったから出たのか。わかんない。


別れ話の時に、わたしの前で君が泣こうとしたから。


泣くなよっ。振ったのお前じゃん〜


って言っちゃった。

わたしの前でずっとカッコつけてた君には、

どうせだから最後までカッコつけてもらおうと思った。悔しかったんだと思う。

「一緒にいてしんどくなった」

の一言は威力大きく。今すぐ殺せ、一思いに私を突き刺せと叫ぼうか、悩んだ。


お互いに無理しあって削られ合うなんて、毛ほども恋愛ではない。友情ですらない。


でも、君が無理して作り上げた君はあまりにも魅力的だった。それは事実だ。美しかった。混ざり気のない、綺麗な作品だった。

ところで、無理しないでねと言った私も無理していた。君が開かない部分の心は、私も開く気になってなかった。

恋愛が上手くない2人だった。


「じゃあ、行こっか」

切り出したのは私だ。いたたまれなかった。



「帰り何線?」って聞いてきた。


ばっかだなぁ、私は五反田乗り換えか品川から歩けるって、何回言ったと思ってんの。

私は君が溜池山王乗り換えか日比谷線だって、バスでも最寄りまで行けるって、そこまで知ってるんだよ。

記憶力がべらぼうにいいから?そうだね

君のことが、大好きだったんだと思うわ。


「山手線ー!」


「そか」

君から早く離れたくて。早足で歩いた。

横断歩道の前で、横から知らない男が話しかけてきた。

「お姉さん、それ、ヒヨコですかぁ?」


「ポムポムプリンですよ〜」

って答えた。


「あの、友達ですか?」

彼が牽制して、追い払ってくれた。

まーたこういう、優男なことをするから、

あなたはモテるのねぇ。


私はとっさに

「ひよこだってー。ポムポムプリンなのに」

と言いながら、ポムポムプリンのパスケースのほっぺをつついた。

本当は涙が出そうだった。私たちが初めてデートしたのは、ポムポムプリンカフェだったんだから。


山手線の改札前、君があまりにも暗い顔でじゃあ、、と呟くから、

ありがとー!またのもね!バイバーイ!


って。

明るく無理して言った後、山手線の改札に駆け込み、そのまま右折してトイレに行く途中の壁に縋り付いた。

蹲み込んで、声を出して泣いた。

しとどに溢れる涙は身体全部を覆い尽くす勢いで流れ続け、不思議の国のアリスみたいに湖になってしまうかもと思った。でも現実は水溜りがポツポツ出来て、ブーツに滴が落ちただけだ。


私の中の誰かが、これでよかったんだよ。

だって私の価値は私が決めるし。

やっぱり私はすごく素敵な人間だと思うから。って。すごく優しく話してくれるから、もっともっと涙が出た。

そろそろ泣かなくて良くなってきたので、これを書いた。読んでても読んでなくても、どっちでもいいけど、ブログに書いていい?って聞いたから、とりあえず書いたぞ!


ありがと、またね

「勉強の甲子園」


この時期になると、予備校の厳しい先生から言われたとある言葉を思い出す。


「お前らはな、勉強というスポーツでトップを目指すんだ。つまり、全国の勉強の強豪たちと戦う。来年の2月、お前らは『勉強の甲子園』へ行くんだ!わかったな?!」



「…ハァ?」

思わず口から出たその返事は、予備校講師から鋭い睨みを頂くに値する失礼さであった。


大体、テレビやらメディアでよく見かける○○甲子園なんていうのは、本当スポーツの世界で勝負できない奴らが取ってつけた名前だろ、本物の甲子園馬鹿にしてんの‥?

言われた瞬間、ひねくれている私はそう考えた。


よくこのブログにも書いていると思うが、小さい頃から運動がからっきし苦手で、なにをしてもダメだった。唯一の良いところは、親の言いつけで渋々続けてきたの勉強が、周りより少しできるところだけだった。


この予備校講師のことはあまり信用していなかった。一枚ペラっと文構造を学ぶためのルールを渡されて、全て暗記した上で講義の最初に口頭試問される。この口頭試問に受からないと、なぜ受からなかったか、かなり厳しく問い詰められた。更には授業終わりに呼び出され、次回までにどうやって挽回するか抱負を言わされた。そうやって暗記した構文ルールを適用し、講義中は過去問をひたすら読解。ここで事前に解いてきた問題をやるので、答え合わせも同時に行う。


本当にこんなやり方で英語の学力が伸びるとは思えなかった。根性論を振りかざしているだけだ、他の勉強法をしたほうがいい、そんな気さえしていた。


入ってから最初の頃はからっきしダメで、構文暗記も苦手だった。教室を出た瞬間からポロポロと涙を流しながら予備校から帰ったり、雨の日は帰り道ずぶ濡れのまま、溝の口駅を出てぼーっとしていることもあった。自由が丘の駅を見るたびに憂鬱さが襲った。しかし、私自身が大学受験をするにあたって、予備校選びにはかなりこだわったし(安くて面倒見がいいのが主な基準)、自分から進んで厳しい先生を選んだ。全て自分で決めて親からお金も出してもらってる分、その環境から逃れるのが正解とはとても思えなかった。


予備校での根性論的なやり方に納得がいってなかったのもあり、とてもたくさん葛藤した。ただ、やらないで諦めるより徹底的にやって落ちる方が絶対にいいし、受験が終わった時も後悔しないで済むと、本能が伝えてきた。


なら、この予備校で全力を出しながら、他の勉強も全力ですればいいのか。という結論に至った。


そのため、長文読解を毎月一冊ずつやって、予備校で配られたのとは違う文法問題集を10周解いた。


そして私は高2から予備校に通いつづけながら、高3の受験日まで毎日英語を30分以上勉強するというささやかな目標を完遂した。少ないように思えるが、30分は1時間、1時間は2時間、2時間は4時間へ姿を変えていき、その積み重ねによる700日間であった。休まず勉強する中で、段々と、しかし着実に私の中でインテリジェントな自我が芽生えた。これは選民思想でもあった。

センター試験の点数は鰻登りして、センター模試の英語で190点を超えたときは笑いが止まらなかった。しかし、その時の全国順位は驚くほど低かったのである。

「こんなに勉強しても、まだ追いつけない奴が全国にうじゃうじゃいる」という事実が、面白くておかしくて、どうしようもなく悔しくて仕方なかった。


ここで、「確かに私は今まで何でも勝負できなかったけど、唯一得意な勉強で勝負できるようになった」ということに気づき、(気付いたというか思い込んだのかもしれないが)あの予備校講師の言うことはあながち間違ってないのかもしれないと考えた。


そう、これを読んでいる受験生の人がいるとしたならば、あなたは選ばれし人なのよ、と、そう伝えたい。決して自分から進んでではなかったとしても、もしくは自分から進んで選んだ道だったとしても。この日本という国で何%かのインテリジェントになれる可能性を秘めたあなた。もうほんの少しかもしれないけれど。すごくすごく頑張ったあなたへ。ほんの少しかもしれませんが、エールを送りたいです。


頑張ってね。受験生の皆さんへ


ではまた、いつかどこかで。


amane


あー逃げようと70回唱えた


道端に落ちたビジネスホテルのスリッパが目に入るだけで、そのことで頭がいっぱいになる。君はどうして捨てられちゃったの?

ああ、いくらでも好きにすればいいんだ。


別にこの空間にいるのが嫌だとか、課された課題から逃げたいとかそんなんじゃなくて、自分の決めたことすらまともに守れない自分に嫌気がさしてるだけだと思う。この文はただの独り言のぶつぶつなので、いつもほど面白くないと思う。さして、いつもの文も別に面白くないけれど。

私は私に対してなんでもできるって思いすぎてると思う。思い上がってるというか、買いかぶりすぎてる。なんかそんな感じ。バカでなんもできない自分を少しでも認めて、無理難題を課し過ぎたり、人生は短いからとかいうバカな理由でなんでも手を出すのはやめなよ。ホイホイ返事をするな。だけど大事に捉えすぎるな。もっと客観的になれる。そのせいでいつも泣いたり吐いたり熱出して、周りに迷惑をかけてるんじゃないの?冷静になればわかることが、すぐわからなくなる。22歳にもなって少しも初歩的なことができない。


でも、それで良いじゃん!人生一度きりだよ、何したって私の勝手じゃん、私しか私の人生にいない、っていうふうに思ってる、ひたすら甘い自分もいる。この部分の私は高校生の頃はグシャってつぶしてたんだけど、今はひたすらこういう向こう見ずな部分の私の成分が大きい。

このまんまでいたら仕事した時にすごく苦労することになると思うんだよなあ。現にしてるわけだし。相変わらずカウンセリングは高い。時間とお金が潤沢にある人にしか精神は治せない。


あー企画通んない。


じゃあもし自分にこの会社で最大の決定権があって、私の考えた企画に本当にゴーサインを出すのかと言われたら、出さないような気がする。もっと現実的で、工数が低くてインパクトが出せるものにするだろうなと思う。こういう言葉は大っ嫌いだ。少しも美しくない。だけど向き合わなきゃ。生まれてからしばらくずっと空想の世界で生きてきた私は、脳内から現実に物事を導き出す能力がすごく低い。端的に言うと私の脳にはイルカとポムポムプリンと小林秀雄が一緒にいる。しかも3人は友達だ。おそらくあのエライひとは、私のそういうとこをすごくよくわかってる。だからこそ、週5で出勤できるかすら不安なんだけど、って今日聞いてきたんだろうな。しらんけど、でも私のことをここまでわかってる人はこの会社に今あの人とあの人とあの人しかいないはずだから、そうなんだろうと思う。全然つらいとかそういうのではない。私にとって吐き出すところがTwitterかここしかない。誰かに言うのは私らしくないというか、まだその段階じゃない。なんか違う気がする。


あとたぶんもう大人なんだからって言いたいんだと思う。大人は自分の犯してしまった間違いに対して、猫みたいに顔をギュッとしてるだけじゃ、許されない。怖がってもくるもんはくるし。大人ってそれが1日に何度もある。私にはその許されないぶんを補う愛想も知恵もない。


学生生活あと残り少し、楽しみなねって言ってくれるけど、学生だからこそできることなんてひたすら学割で幅を利かせるとか、美術館が安くなるとか、そんなんしか知らない。おじさんたちにとって大学生の女は価値があるみたいだけど、もうその価値にかまけてお金をもらうことにも興味がない。若さではもう十分稼いだ気がする。先にも言ったけど私は本当に愛想がない。好きでもない人間にわざわざニコニコ愛想振りまけないから、もうあそこには戻れないと思う。


これから家に帰ったら、大学一年の頃に嫌いだった奴の就職先を聞かれると思う。なんで嫌いな人の就職先なんて知ってると思ってるんだろう。とても不思議だ。もしそれが彼らにとって重要な世界の構成要素の一つなんだとしたら、なんて貧弱な世界なんだろう。


ああどうして今日も、私にとっての世界は少しも楽にならないんだろうか。山手線の新しい車両は白熱灯で照らし出され。こんなに早い乗り物に乗れるのが嬉しいので、今日もなんだか生きている。


あ、ブーツ破れてるんだった。今月二足もだめにした。何が起きてるんだろう。明後日までに買い換えなきゃ。

もういいかな。もう少し書きたくなったら書きにくるけど。


じゃあ、またね


amane