ウマ娘がリリースされてもう早いことで1ヶ月以上が経つんですね。驚いてます。何に驚いてるって、もうその完成度たるや。育成の面白さはもちろん、3Dの可愛さ、ストーリーの面白さ、軽快さ、レースの開始時演出の重厚感、レースとしてみた時の面白さ、何より「触ってるだけで楽しい」UIの完璧さ。プチプチ触ってるような感じで、気持ちいいんですよね。スワイプとかタップがそれだけで意味を持ってる。意味を持ついくつもの事象が統合されていって、随一の触り心地を生み出してる。これは本当に怖い事です。このUIは本当にやばい。でもサポートカードのスキルは覚えないと流石にわからないのと根性、スタミナのアイコンが似たり寄ったりなのでここだけはミスかも知れない。でもそれくらいしか「わからん」ってところがなかった。恐ろしい。牝馬じゃないのにメス化擬人化などと、と謳っていた過去のジジイみたいな自分を殴りたい。お前いくら課金してるか知ってるか…?と。
この作品、リリース元が私の生き別れの妹が働いてる会社と関連会社なので、たまに「この案件PRとかないの」って来たりするらしいんですけど、私の生き別れの妹曰くこの会社さんと妹の会社さんは厳密にいうとまた違うみたいです。
詳しくは妹に聞いてください。私はたまに司会やってるだけのニートなんで。
長ったらしい前置きはさておいて、
ウマ娘さんの大ヒットにより空前の競馬ブーム、もとい「もともと競馬に搾取されてたオタク」の層がその他のオタク達にまでどんどん侵攻してくる状態が生まれてる気がします。元々俺たちオタクには搾取される素質はあったんだ。それがまた新しい方向に向いて、なおかつそのジャンルの中毒性がバカみたいに高いだけの話とは思うんですが。
実際の競馬も大阪杯は声優界隈やアニメ界隈含めて非常に高い盛り上がりを見せて、公式もこれにライブ配信を合わせてくるなど完璧なメディアミックスのラッシュを見せてくれます。これが立体的なマーケティングってやつなんですかね。僕はもう、凄すぎて、ちょっとニコニコしてるだけのウマ娘ちゃんたちの奴隷に成り下がりそうさ。助けてくれよベイビー。
大阪杯のレイパパレはめちゃくちゃ美しくて、始まる前からツヤツヤの落ち着き通しでどっしりと静かに構えてる様がお妃様のようだった。パドックに光り輝くSSRカード。動いてラメが光るタイプのやつね。コントレイルは馬場が不安定なのに慣れてないのかずっとうるさかったし(普段はあんなにかっこいいのにね)、グランアレグリアもちょっと不安気だったし。こりゃレイパパレだ!って父親と唸った。今日の桜花賞のソダシも…
あれ?あーそうそう、マキバオーの話をしに来たんだったわ。まあそんなこんなで父が競馬好きだった影響もあって元々競馬の予備知識はあったと思う私ですが、ウマ娘をきっかけに競馬、もとい競走馬って存在に更に興味を惹かれたんです。で、中学の頃の信頼できるオタク友達が好きだった「マキバオー」が急に気になってきたんです。
マキバオー。ずんぐりむっくりした見た目の主人公。コロコロコミックみたいな雰囲気の絵柄と堂々君臨する「ウンコネタ」がどうしても受け付けなくて、ずっと触れるのを引き伸ばしてしまってた作品です。あと信頼できるオタクがみんなやばい、面白いって言うもんだから、そんなに面白いんだったら多分しばらく沼から抜けれなさそうだから余裕がある時に読もうと思ってました。
でも、つい2巻無料キャンペーンをやっていたものだから、なんとなく読み始めてしまった…。
正直、面白すぎて完全に想定外でした。
何が面白いのか稚拙ながら解説します。
ちょっと本当に衝撃的で、毎朝の通勤が楽しみで楽しみでしょうがなくなってF.MAPという当時の競馬アナウンサーたちによるアニメOP走れコータローのカバーなんて沢山聴いてしまって。向精神薬であることは間違いないんで。ウンコとかそういう程度の低い下ネタアレルギーの人も中には多いとは思うんですがここはどうか耐えつつ見ていただきたい。興味がなけりゃ大丈夫っす。amaneがそんなにいうなら読もうという方は回れ右。ネタバレなしの方が面白い気がする。私は本当に肝心な部分以外ネタバレをする人間です。
いいかな!?いいかい!?
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・意外とメロドラマ寄り
主人公がうんこたれ蔵というッショーもない、名前なんですが、そこの命名に至るまでが完璧です。
やっとの思いで貧乏牧場のサラブレッドミドリコから生まれたロバのような見た目の不細工な白毛。めちゃくちゃ小さくて大型犬くらいのサイズにでかい心臓があって異常体型。
これ誇張とかじゃなくそのまんま話進みます。
で、そしてこっから何とメロドラマ寄りの展開。
同期の馬からいじめられる彼。生産者からは名前もつけられず、これは肉になるのを待つしかないか…という時に経営難のため母のミドリコが売りに出されます。
韓国ドラマ!?!?!
こういう母親を追いかけて車の外から呼びかけるシーンは韓国ドラマで見た気がする…!
更に、母を探してたれ雑は何も持たず外へ飛び出す。韓国…!?
そこでこのカッコいいいなせなネズミ、チュウべえに出会います。
2人は野犬に襲われ逃げるんですが、そこで恐怖のあまり爆速で逃げるたれ蔵。ビュンビュンと速いのでチュウべえはこれは競走馬としての才能があるかもと閃く。
しかし!そんな彼等が逃げる道には…ウンコが…垂れていた…
ということでチュウべえ氏にうんこたれ蔵と命名されやす。
私お下品ネタ嫌いなんだけどこんなにウンコって書いたの初めてなのでもうやけくそです。あぁ…またフンの話!?
で、何やかんやあってお母さんに会ったり会えなかったりして元の牧場に戻ると。
ここまですらかなりドラマティックな展開。たしか2巻くらいまでかな?読者の心をひしと掴んで離さない絶妙な話の運び方。あとライバルが出てくるのが早くていい。しかもかなり後半まで競るし。なぜ勝つのか?、なぜ負けるかの描写があまりにもしっかりしていて、納得感しかない。こういう話書ける人って本当にすごい。
・キャラがえげつない魅力的
主人公ミドリマキバオー(たれ蔵からなぜこの名前になったのかはコミックを読むこと)ももちろん魅力的。ころんとして可愛いんだけど、出走するの結構顔が怖くなる。目が充血してしんどそうで、見てるこっちがヒヤヒヤする。そんな走りなわけです。
実際の競走馬もすごく走る時しんどそうで、寄りで見るとビビるよね。命削ってる感。
飛行機に乗れちゃったり行く先々ではぬいぐるみ扱い。騎手と話しながらテクテク。リンゴも手で食べちゃう。この擬人化が絶妙に愛らしい。
でさっき紹介したネズミのイケメンチュウべえ。
この人のことを好きにならない人いないんじゃないかっていう。途中までは騎手としてプレイイングマネージャーを務めます。(ん?)多くは語らず背中で語る。どんなに不調だったとしても相手を信じ、敬い鼓舞する。己の犠牲も厭わない。最高にかっこいい働き方を見せてくれて、こういう上司いたら最高だなーと。いやマジで、ここのエピソード最高に泣けっから。
誰もが敬う宿敵カスケード!
イケメンすぎる。この人も本当に最初からブイブイ言わせてめっちゃ早くてデカくて強い。だけど一切精神性にドヤドヤした感じがなく落ち着いてる。パドックで荒れず、己の力と騎手を信じる。一番人気待ったなしの超急サラブレッド様なわけですよ。なのに!なのに本気のたれ蔵と戦った後きちんとライバルとして認め、その後の競走馬としての人生でキッチリマークし続けるわけです。えっこんな素敵かっこいい馬いる???有馬記念での一言、ダービーでの胸の張り裂けそうなマッチは必見なわけです。あー!そこの君すぐマキバオーを読もう!
そのほかにも爆イケな馬、ちょっとチャラい馬、主人公そっくりな馬、頭の悪すぎる馬など様々なキャラクターが目白押し。動物の話ばっかしてるけど調教師や騎手にも素敵な人が勢揃いしてます。見逃すな。
・絵が上手くなっていく
私は基本受け付けない!ってタイプの絵は避けるタイプでカイジも腐女子仲間が騒いでなかったら一生読まなかったしモリのアサガオだって…以下略なのですが、本当にこの作者は絵がどんどん上手くなっていって、クライマックスの有馬記念なんて、見せ方最強なんですよ。あと宿敵馬以外のキャラ性も豊かでサイドストーリーがしっかりあって。扉絵のぎゅっとした感じとか、色んな人に見せて回りたい。
書き分けとかデフォルメの感じが天才的。
あー。この馬に特化した超級作画能力。村田雄介に描かせてもここまでバチンバチンとうごめく鞭に荒れる馬場の迫力書けないんじゃないか!?
・絶妙なフィクション加減
実際にありそうかも!?そんなことはないと思うけど…ってフィクションの作り込みが完璧なんですよ。
宿敵カスケードがドバイで練習してるなら、こっちァモンゴルだ!モンゴル超長距離馬と特訓だ!とか。あーめっちゃなさそうだけどもしかしたらありそう!みたいな。フィクションの加減が絶妙な塩梅。
やくざの八百長競馬に行って競走馬としての心を取り戻そう!とか。うはぁー。この話本当好きなんですよ。まあ日本酒やらビールでも飲みながら見たいもんだね。
あとなんかほかにもたくさんあるんだけど、どっちが本当でどっちがフィクションかわからないので明言避けます。
発熱して病床につくともう文字書くくらいしかすることがなくなっちゃうのでなんとか文字書いてますけど、そのくらいして伝えたいことがマキバオー読んでくれなんですよね。なんだこの会社員23歳女性は。
あのおー、本当に。DMMブックスでは今爆安で買えてしまうと思うんでね よろしくねみんな。ちゃんと読もう。とくにウマ娘やってる人か競馬好きな人は読もう。ワールドカップ篇はいいかもしれないです。有馬記念まで読んでみて。
ではみんな、体調が悪い時に無理して外出するなよ。さらば。