どうということもない

どうということもないけど 忘れたくない

otogiの国より愛を込めて


どうも。サラリーマンが好きなamaneです。

ZENON/otogi、通算3回全公演観に行きました。

カルッツかわさきにて。あそこはもう少しするとテニミュがありますよね。てか、そんなでかい場所で公演できてしまうパワーがすごい。

ZENONというのは慶應のダンスサークル出身の方々の超大型ダンスプロジェクトです。2年に一回しかやらないししかも264名の社会人が携わったとのことで、このチャンス逃すまいと全公演バッチリ見納めてきました。


二回席天井→一階席右側真ん中→一階席左側前から12列目という座席で観たので、結構余すところなく観れたかなと思います。


最初の土曜と日曜1回目の2つは安定にボッチで見てたんですけど、3回目は勇気を出して左に友達を召喚することに成功し、ブツブツ感想を呟きながら見てました。(迷惑)

で、昨日の帰り道にも友達に大興奮しながら話したんですけど、私はサラリーマンが本当に好きなんですよ。突然ですみません。


昔から属性萌えなのもあるんですけど、もっと言えば単にサラリーマンなだけじゃなくて、他に何か普段抑圧された自我を曝け出す場所を持ってる人が好きなんです。趣味が爆発的なサラリーマンというか。

スーツ着て重いカバン持って硬い靴履いて出勤して、社員証首にかけておはようございまーすって言うんですよサラリーマンって生き物は。

抑圧、半端なくない???

めっちゃ動きに制約がかかるし、正直スーツで出勤とかダンスなり何かしらスポーツ的な動きの正反対に位置しませんか?


otogiはそんな人たちが土日なり夜なり集まって必死に編み出した公演な訳ですから、面白くないわけないですし、精神的にも物質的にも掛かってるものの差分が、大学生のダンスサークルとかと比べるとエゲツないんです。(大学生は大学生で超良いんですけどね)

クリエイティブがまず超かっこ良くて、赤と青がコンセプトカラーでめっちゃかわいいんですよ。パンフレットとか全3冊ももらっちゃったんですけどこれはお金払って追加でもらうやつじゃんと思いました。映像もやばいですし。ハイテクノロジーを余すことなく感じられます。

執念が伝わってくるんですよ。だって子供いっぱい来てるんですよ?!「ドデーン」とか「ズデーン」みたいなおっきな音で子供泣いちゃうんですよ?!子供がこんなに沢山いる現場(?)に来たのが生まれて初めてで、私もなんだかオギャりそうになりました。


お子さんいるのにハキハキ踊って友だちと話したり、公演には出てないけど沢山お子さん連れて来てるママさんが何人かいらっしゃって、スッゲェなと思いました。スッゲェ。社会を構成してる。老若男女本当に幅広い方が見に来てて、社会人が何かを賭してステージを作るってまじ尊いなと思いました。尊すぎる。


社会人って、ほかに守るものがいくつもあるんですよ!会社での地位、締め切り、給料、守秘義務、デスク周り、人間関係、家族、、、

やばいやばい、あんなに沢山踊ってる人たち全員に会社とか守るべきものが山ほどあって出社してるのがやばいって思いました。

えーだってあんなバキバキにダンスしてる人たちも夜が明けたら出社して社員証をピッとかざすんですよ?(さすがに今日は有給とったかもだけど、てか有給っていいよね、誰この響き考えたの)

もうやばい、社会人ダンサーの皆さんに社員証かざされるタイプの機械になりたい。自分、社員証かざされるタイプの機械に内定していいっすか?(ここで手を上げる)



以下、特に心が震えたナンバーの感想です。

見てないとわかんないと思うので、普段ブログ読んでる人はここからは読まなくても大丈夫です。


M5 蜘蛛の糸

はい、マジでかっこいい〜!今回一番好きでした。なので長いです。

笑っちゃうくらいかっこよかったです。蜘蛛の糸ね、芥川龍之介ですよ。けっこう穿ったチョイスじゃないですか?エグくない?てか皆さん蜘蛛の糸ちゃんと読んだことある??アラビアンナイトでふぇーい!いぇーい!ってやったあとにエッこの話なんだって思いました。カンダタのポジションがotogiに入り込んでしまった若手実業家で、そこもいいなぁと。なんかこう、良い地獄でしたね。地獄って超良いですよね。始まるタイミングが完璧なんですよ。数歩足を踏み入れた瞬間に、状況の異常さに気づく。「ヤバい場所にきた」と、観客も主人公も思ったその瞬間に襤褸の群れが動き始める。ダンサーの皆さんがあらゆる方向に首やら体を捻ったりして、出入りするんですけど、あーまじ良いなその入りハケの抜群のこだわりマジでかっこいいなと思いました。イラストでも文でも動きでもなんでもそうなんですけど、「怖い」って表現するの、めっちゃむずいじゃないですか。よーし!これは怖いぞ!と思って出したら笑われるとか。それって恐怖自体がすごく主観的な感情だから客観的に見れないってのが要因なのかなと思ってて。この曲のフリを作った人は、客観的にも主観的にも「恐怖」とか「狂気」を表現するのがすごく上手な人で、なおかつ、ダンサーの人たちも客がどれだけ恐れ慄けるのか考えながら、フリを消化していくのが抜群に上手い人達なのかなって思いました。マジかっこよかったです。

  


M6 憂鬱な職場

サラリーマンの曲!可愛かったです!

締め切り厳守とか貼ってあるホワイトボードがデデーンって出てきて、デスクもあってめちゃくちゃ「会社」なんですよね〜

メディア系の会社ですよねなんか。たぶん。ライターとカメラマンがいたので、新R25みたいなウェブメディアとかそんな感じなのかなと妄想しながら見てました。企画通んなくて病みツイするのとか、わかるなあと思いました。

ロックの動きにバインダー持ってたりメモ帳持ってたり細かくてめっちゃ面白かったです。

綿密な舞台構成が魅力的。小劇場っぽかったですね。


M7 "otogi" factory

超美人で性格良くて頭いいのにちょっと抜けてる最強の放研の先輩が携わってる曲です。

あっエレクトロスウィングでヴォーグとかヤバすぎてどうしようと思いました。あんな綺麗なお姉さんたちがピッカピカの服着てバッキバキに踊るなんて、自然と土下座したくなっていました。途中で早着替えがあったり、場面転換してでっかい扉と共にエレクトロスウィングの象徴みたいな真っ赤な服着た女の人とシルクハットのお兄さん出てきたときに「コレだよこれ!!!オタクがエレクトロスウィングに望んでるものはこれなんだヨォ!」と思いました。美しかったです。ちょっと狂気的なのもまた良いですよね。美は常に狂気から生まれるし、その逆もまた然りなんでしょうなあ。


M13  鬼ヶ島

推し、、、誰とは言いませんが私の推しの方がバリバリに携わった曲です、、、

radiotalkのインタビューとか聴いてると、本当仲良し〜ファンシ〜シルバニアファミリーなのかなって感じなのに共同で作ったらあんな踊りができてしまうの本当何って感じです、本当何?

普段「あーかわいい、シルバニアファミリーみたいだなぁ」と思ってた人が人殺しそうな顔でバキバキなダンスしてたらギャップで泣いちゃいませんか?

推しが「コンセプトは、鬼ヶ島だよ〜ん」って言ってたから、えーまじ?!桃太郎じゃん?!桃太郎似合いすぎでしょピンク好きだしお顔もかわいい感じだしきび団子作りてえ〜!と思ってたらぜんぜん違った。

敵の方だった。鬼の方だったんだね。鬼、めっちゃ似合ってたけど。般若って感じでした。全員まじで般若面被ってるみたいな顔しててバチクソ怖かったです。(褒めてる)

泣く子も黙るかっこよさでした。

ラスボスっていうよりは、ラスボスに入る前のめっちゃ長くて難しくてしかも怖い最終ステージに入った感じでしたね。悪魔城ドラキュラとか魔界村みたいな、鬼難しいアクションゲームかなと思いました。絶対あのフォメめっちゃむずいし緩急やばいし入りハケの忍者みたいな謎動き、とにかく「敵」って感じ。あとなんかこの曲は全体的に見ても総運動量がエグくて若いエネルギーをひしひしと感じました。(おばあちゃんなのか私は…?)



すみませんここまで読んでくださった方本当にありがとうございます。物語のあらすじとか、書き足せるタイミングがあれば書き足したいと思います。お話は、「誰もが自分の物語の主人公」と言う終わり方をして、すごく綺麗にまとまって終わります。これは私も同じ意見なのですが、人間はずっとotogiの主人公なんじゃないかなとも思います。数千の御伽噺の主人公が自分の中にいて、状況をみて選んでるかんじ。わざわざ機械に入んなくても、私はずっとotogiの中にいるのかなと思います。


そんな感じで、このタイトルにしてみました。otogiの扉から出る気もないので、otogiの国から愛を込めて、この文章を送ります。



ではまた


amane