どうということもない

どうということもないけど 忘れたくない

キスと蛞蝓



⚠︎注意⚠︎わりと気持ち悪い私のファーストキスとナメクジに関するエントリーです、気をつけて



あ、蛞蝓はなめくじって読みます。

キモくないですか?なめくじ。

去年私実家ごと引っ越したんですけど、正直家の周りの自然が豊かだからかなんか知らんけど、今シーズンめっちゃなめくじに会います。しかも、スゲーでかいやつなんです。

スマホくらいの長さのぶっといぬらぬらしたナメさんにお会いしたり、干からびて不思議な紫っぽいカラーリングになったものにお会いしたり、マンションの部屋の前に何匹かの群れを発見したり。

気持ち悪いよおおおおお!やっぱりだめだ山村喜三太!私はナメクジを好きになれない!許してくれえぇぇ(山村喜三太というのは、忍たま乱太郎に出てくる一年は組の生徒で、ナメクジ大好き。沢山の蛞蝓を壺に入れて飼っている。なつかしいね。)


そういえば今日水木しげる展に行きまして、もうめっちゃ良かった、妖怪も人間もみんな行きましょう!その影響かは分かりませんが、なんとなく少し気持ち悪くて怖い話がしたい・・・


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ということで、ナメクジで思い出したことを少し話したいと思います。


中学3年生から高校2年の初めにかけて、付き合ってた期間が1番長い彼氏がいたんですね。2個上の人でした。私が高1で向こうが高3の梅雨、雨が仕切りに降る夜。

私のマンションの近くにあった公園で、生まれて初めて初めてディープキスをしたんです。ぬめった彼の舌が入って来た瞬間に、「うっ・・・!何するのよ気持ち悪い・・・」と思い、途端に逃げ出したくなりました。本当に初めて他人の粘膜と自分の粘膜が接触し、皮膚よりも近い部分での交わりや、水気を帯びた音に戸惑ったのです。それでもあんまり向こうがガツガツくるので、仕方なく受け入れていましたがそのまま2~3分くらいかな?やたら長くて、さらに不快感を催した私は、今自分の口の中に存在する彼の唾液と私の唾液の混ざったのを、公園の地面に吐き捨てることを決意しました。やっと口が離れたその瞬間、なんだかそのまま吐き出すのも可哀想だなと情が生じ、頑張って口の奥の方に唾をしまい込み、(ちなみに一切飲んでない。これは自慢ですが私の口腔はすごく奥行があるんです。)向こうが照れながら「じゃあ・・・また明日」と言うのを聴きながらコクリと頷きニコッと笑い、そのまま彼が去るのを待ちました。この時本当に苦しくて、やはり現世は生き地獄かと感じました。


よし・・・そろそろ彼氏が消えたかなと思って、うぇぇっと、ゼェゼェしながら地面に口内のものを吐き出しました。持ってた水で口をゆすいで、その水もそこへ出したので、結構大きな水たまりになったんです。その隣でなにか動いてる気がして、夕闇に目を見張りみつめると、吐き出した唾液の水溜まりのすぐ隣に、梅雨の水を吸い、人間の舌のようにでっぷり太ったナメクジが蠢いていました。『舌みたいな形をしたナメクジがいる・・・』うごめく、とはまさにこのこと、なめくじは意思を持ったようにゆっくりと私の唾に近づいてきて、先程まで私の口腔を犯していた彼の舌のように、粘ついた唾液にズブリと浸かるその姿。それはさながら伊藤潤二、『うずまき』の世界観。


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こっちは伊藤潤二の蛞蝓少女。


私は傘もささず呼吸をヒュッと止め、あまりの恐怖に悲鳴を上げずナメクジをジィっと見つめました。「アァ・・・」と声にならない声を上げ、そんな声にすらナメクジが反応し、目まで合ったように感じました。その後私は、公園から一目散に逃げ出し、家へ向かう道中にナメクジが居ないか目を皿にして身を屈めておっかなびっくり歩きました。家に着いてから、沢山うがいして、その日はお風呂も怖かったことを覚えています。

あのナメクジは、彼の暴れ狂う舌に衝撃を受け、見てしまった幻覚だったのかなと思う時もあります。しかし私は未だにあのことが忘れられず、梅雨になると、またでっぷり太った、まるで舌のようなナメクジがまた現れるのではないかとビクビク過ごしています。

皆さんには忘れられないナメクジ、いますか?


ではまた


amane